フローリングにはいくつかの種類があります。それぞれの構造や特長、コストについて説明します。|輸入発売元 株式会社オカベ

フローリングの種類


フローリングにはいくつかの種類があり、それぞれの特長があります。床材はかんたんに取り換えのきく建築資材ではありません。違いをよく知らないまま、色合いだけで決めてしまい、後で後悔したという声も耳にします。違いをよく理解された上で、ご自身の真のニーズに合ったフローリングを選択される一助になれば幸いです。

フローリングの種類:構造について

一般的にフローリング=木の床と認識される床材には、次の4つがあります。それぞれの構造の知ることで、より違いをご理解いただけます。

無垢フローリング

1枚の木材から加工して作られます。

3層フローリング

集成材で出来た台板をサンドイッチするように作られますので、断面が3層に分かれているため、3層フローリングと呼ばれます。台板の上に無垢厚張りの表面化粧板を貼り合わせて作られます。台板と化粧単板は、木の繊維方向がクロスするように接着剤で貼りあわせます。

複合フローリング

合板で出来た台板の上に表面化粧板を貼り合わせて作られます。表面化粧板には、厚い挽き材が使用される場合と、薄いロータリー材が使用される場合があります。この化粧単板の違いで、同じ複合フローリングでも仕上がり感はかなり違ってきます。

木質系フロア

近年のトレンドでは、表面化粧板には特殊強化フィルムや特殊印刷紙が使用されます。基材には特殊MDFと合板が多く使用されています。これらはすべて接着剤で貼り合わせます。本物の木のように似せて作ってはありますが、本物の木ではありません。基材(台板)には合板が使用されることが多いため、木質系フロアと呼ばれていますが、フローリングとは呼びません。木質系フロアとフローリングを混同される方も多く見受けられますので、ご注意ください。

フローリングの種類:それぞれの特長

構造が生み出す特長とでも言うべきか、構造の違いによってそれぞれの特長が必然的に決まってきます。

無垢フローリング

無垢フローリングは、温湿度の変化に影響を受けやすいという欠点があります。冬場の乾燥時期の数カ月は木が縮み、フローリングとフローリングの間にわずかな隙間ができるかも知れません。春や夏になると、今度は逆に木が伸びてその隙間が埋まるだけでなく、極端な例としてカップ反りになる場合もあります。無垢フローリングは構造上、湿度の変化による多少の収縮は避けられませんので、地下室など地表よりも低い場所での使用は避けましょう。室内の湿度を一定に調整することで、この収縮は最小限に抑えられます。もっとも一般的な床厚は15㎜で、通常は3~4回サンディング作業が可能です。
※過乾燥させて収縮を小さくした、床暖房対応の無垢フローリングも市場では流通しています。
※無垢フローリングの収縮は材料の問題だけでなく、湿気の多い立地であったり、突貫工事によって下地のコンクリートが十分に乾燥していなかったり、メンテナンスに大量の水分を使用したり、複合的な要因が絡み合っている場合も多く見受けられます。

3層フローリング・複合フローリング

台板を木の繊維方向がクロスするように接着剤で貼りあわせて作られますので、温湿度の変化の影響を受けにくいのが特長です。3層フローリングは、一般的に無垢フローリングと比べると湿度の変化による収縮は1割程度と言われています。複合フローリングの場合は基材に合板を使用しますので、さらにこの収縮が少なく、床暖房フロアによく使用されます。化粧単板に挽き材を使用すると、仕上がりは無垢フローリングと変わりません。厚さ3㎜以上の化粧単板を使用すると、1回はサンディング作業が可能ですが、厚さ1㎜のような薄い化粧単板を使用したフローリングはサンディング作業が出来ませんので、注意してください。

木質系フロア

フローリングのように木に厚みがある部分がありませんので、温湿度の変化はほとんど受けません。寸法安定性にすぐれていますが、表面化粧板の厚みが0.2~0.3㎜しかありませんので、深いキズがつくと台板が露出します。表面化粧板が薄いため、土足歩行の店舗などではまず使用されません。室内履きの日本の住宅専用のフロアと言えます。化粧板の厚みがないため、特殊塗装などで耐久性を高めてはいますが、経年変化で色褪せてきます。もちろんサンディングは出来ません。台板が露出してもいいからサンディングしてくれ、と言われるお客様もいらっしゃいますが、化粧単板の真下は特殊MDFが使用されていることが多いので、削った時点では明るい色合いになったように見えますが、塗装すると真っ黒になり必ず後悔しますので、推奨しません。

フローリングの種類:コスト比較

一般的にコストは、木質系フロア<複合フローリング<3層フローリング<無垢フローリングの順で高くなります。無垢フローリングは、OPCと呼ばれる一枚もので製造するとコストが高くなるため、一般住宅では短いピースを何枚かつなぎ合わせて一枚ものにするUNIと呼ばれるタイプのフローリングがよく使用されます。UNIフローリングは、バラバラの長さにフローリングを加工した乱尺フローリングとほぼ同様の仕上がり感になります。
近年の木質系フロアはかなり精巧に作られていますが、時間が経てば経つほど、本物の質感にはかないません。複合フローリングや3層フローリングの場合、表面化粧板に挽き材を使用すると、仕上がり感は無垢フローリングと変わりません。挽き材は、無垢フローリングとまったく同じ製造工程で作られ、厚みが違うだけですので、床に仕上がってしまうとほとんど誰も見分けがつかないでしょう。
初期コスト面では木質系フロアに軍配があがりますが、無垢フローリング、3層フローリング、複合フローリングの場合、サンディング作業によるリノベーションが可能ですので、長期的に見た場合、どちらが安価に済むかは議論の余地があります。それ以前に本物の質感と、リアルに作られた化粧シートを比べてコスト議論すること自体がナンセンスかも知れません。

フローリングの種類:何を選ぶべきか

一言でフローリングと言っても、いくつかの種類があり、まったく異なる性質と特長を持っています。いくつかの観点から、どのタイプのフローリングを選択すべきなのか、考えてみました。
施工場所:無垢フローリングを貼る場合は、地表と同じか地表よりも高い場所に施工してください。地下室に施工すると湿度変化の影響を受け、収縮しやすくなります。地下室に施工する場合は、3層フローリングや複合フローリングを選択しましょう。室内履きで使用する場合はどれでも使用できますが、店舗など土足歩行の場合は、フローリングを使用しましょう。
使用頻度:本物かフェイクか、どちらが好きかについては議論の余地がないと思います。しかしほとんどの場合、予算は限られているのが現実です。よく使用する場所、よく歩行する場所には本物志向でより長持ちするフローリングを選択し、あまり使用しない寝室などは安価に済ませるというお客様もいらっしゃいます。金額の違いが耐用年数の違いに影響しない場所の予算を削って、すべて本物をというお客様もいらっしゃいます。
シックハウス:無垢フローリングには接着剤を使用している箇所がありませんが、その他はすべて接着面があります。一般的に、3層フローリング<複合フローリング<木質系フロアの順で接着剤をより多く使用しています。健康上の問題から、接着剤の使用を少しでも少なくしたいという理由で、無垢フローリングを選択される方もいらっしゃいます。その場合には、油分の多いソフトウッドよりもハードウッド、かつ極力、節のないものを選択されることをお勧めします。
床下地:3層フローリングや複合フローリングは、無垢フローリングほど湿気の影響を受けません。無垢フローリングは通常、木下地の上に施工されることが多く、コンクリート下地に直接フローリングを貼る直貼り工法の場合は、3層フローリングや複合フローリングが選ばれる傾向にあります。直貼り用の無垢フローリングも販売されていますが、この傾向はまだ根強く残っています。日本の一般住宅は、木下地の上に糊釘併用で貼られる場合がほとんどですので、どのフローリングでも使用できます。
リノベーション:将来リノベーションの予定はありますか?無垢フローリングの場合、3~4回サンディング作業が可能ですので、何度もカラーを変えたり、フローリングが傷んでも比較的かんたんにリノベーション出来ます。3層フローリングや複合フローリングの場合、化粧単板の厚みによってサンディング出来る回数が変わってきます。化粧単板が薄いとサンディング出来ない場合もあります。木質系フロアの場合は、サンディング出来ません。「古くなり、傷んだら床は張り替えればいい」という声も耳にしますが、暮らし始めるとなかなかそうも言っていられません。キッチンもフローリングの上に乗っていますし、玄関框、巾木やサッシ、床下収納との取り合い、ドアの金具など、考慮すべきことが多過ぎて、床の張り替えにとどまらず、大規模なリフォームとなる場合が多いです。新築住宅の場合、小さいお子様をお持ちのお客さまが多いと聞きます。かんたんに取り換えがきかない部位だからこそ、将来のことも含めてしっかりと考えて選択されることをお勧めします。
市場にはいろいろな声があります。無垢でなければフローリングとは認めない、というご意見もあれば、一度トラブルで懲りたから二度と無垢フローリングは使わない、という声もあります。いずれも正解とも不正解とも言い難いものがありますが、フローリングの特長や基本的な性質は、その構造が作り出したものです。これに樹種やサイズ、グレードや塗装の違いなどが加わってくると、一見膨大な数の選択肢になりますが、まずはこの構造の違いをご理解いただくことがもっとも重要です。
どのフローリングを選択されても、清掃やメンテナンスは必要です。メンテナンスフリーをうたった製品も市場にはあるようですが、お掃除不要の意味ではありません。熟慮されてお選びになったフローリングが、一日でも長くキレイな状態で維持できるよう、こちらの情報をぜひ参考にしてください。